標高1000mの英国庭園~バラの見頃は6月中下旬~7月上中旬です
蓼科高原にも初夏がようやくやってきました。昼はとても暖かく、まるで夏の天気のようです。ガーデンが望めるカフェのテラス席でパラソルの下、風を感じながらのランチやアフタヌーンティーが大変人気です。
それでも、朝夕の冷え込みはきつく、家の中ではこたつや毛布が手放せないほど。ガーデンは標高1000メートルを超える高原地帯にあるため気温が低く、バラの開花も早咲きから遅咲きも含め、例年6月中下旬から3週間前後が見ごろとなります。
そんな気候のもとでも、早咲きの「カナリーバード」をはじめとする、原種系のオールドローズたちが次々に開花しつつあります。
2枚ともハーブガーデンの風景です。木立の白い一重やピンクの花が清楚な風情を感じさせます。足元にはジャーマンアイリスやアリウム、アルケミラモリスやスイスチャドなどのハーブや野菜が植栽されているので見ていて楽しくなります。
「下草を植えるとバラが蒸れてよくないので、ガーデン中、バラだけを植えています」と言う人がいますが、私たちの考えでは、植える下草の背丈などをきちんと考えて植えたり、バラにつく虫がいやがる植物(マリーゴールドなど)、または虫を食べる益虫が好む植物(キャットミントなど)を植えることで、より美しく、またバラの見頃以外の季節も楽しめる庭づくりが可能になります。
庭園奥のボトムガーデンのバラです。5年ほど前から、寒さに強い原種のバラを集めています。とげが大きく変わった形をしていたり、細く密集していたり、珍しい品種も多くあります。
丸池の前には、背丈を優に超える木立のオールドローズが咲き始めました。足元には濃い紫のゲラニウムが幅8m近く広がっており、自然で美しい景色となっています。
ガーデンセンターのアプローチの右側にあるボーダーガーデンは、早咲きのバラが多く、ひとつの見頃を迎えています。ケイ山田が提唱する「ミックスボーダー」を小さなスペースで表現しています。オオデマリやテマリシモツケなどの木々に、オールドローズ、ホスタ(ギボウシ)やアルケミラモリスなどの宿根草に季節の一年草、アリウムなどの球根植物につる性植物のクレマチスなどが、自然な景色として組み合わさっています。
ガーデンセンターでもっとも人気のあるオールドローズ「ロザリー・デルヘイ(ロザリー・ドゥ・ライ)」。
木立のバラで、ハマナスの系統です。香りも強く、魅惑的です。単独で植えるだけでなく、生垣に好んで使われます。理由は、シュラブローズ(木立のバラ)特有の見事な枝張りと、大きく密集する棘と肉厚で光沢のある丈夫な葉っぱ。施設のご案内のとき、スクール校長の山田裕人が「泥棒除けにぴったりです。ぜひご自宅にどうぞ」と紹介するのがこのバラです。うどんこや黒点病がつかず、また虫もつきにくいのでおすすめです。
この写真のアングルで道路側に引いて見ると、次のような景色が広がります。バラの開花が進み、濃い緑に深紅の花が無数に開き、強烈なオレンジのハニーサックルが咲くと、背景の黄金アカシアのライムイエローと空の青がハーモニーとなり、一枚の絵画のようになります。
いよいよフラワーショーの開幕が近づいてまいりました。少しずつになりますが、できるだけ頻度を上げて庭の見どころやバラの開花状況などをお伝えしていきます。皆様のお越しをスタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
(広報 山本達)