ここ数日の陽気でバラの開花が進んでいます

先週まで雨の日が多く、また朝夕の冷え込みも厳しかったため、バラの開花がその分遅れておりました。ここ数日は暖かい天候に恵まれ、一気にバラの開花が進んでおります(写真:ハーブガーデンにて。後ろで見事に咲いているのはウツギです)。

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18日の夕方の様子をお届けします。見頃を迎えていく植物の成長のスピードは私たちが想像する以上に速いため、明日になれば、またさらに開花が進んでいるものと思われます。

ガーデンの入り口に来られたら、ぜひご覧頂きたいのがこの景色です(車が頻繁に通りますのでご注意ください)。ハマナスの系統のオールドローズ「ロザリー・ドゥ・ライ」が見事に開花しています。香りが強く、深く吸い込むとうっとりとするようです。

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驚くのはその強健さです。ガーデンセンターでも販売しているポット苗を植えてから3~4年が経ちますが、髙さも幅も1メートル20センチ以上にも成長しています。数年後の景色を頭に描いたうえで、ゴールデンアカシアの前景に、ドームとデザイン的に呼応する木塀を建て、うすいオレンジのハニーサックルをからませ、ロザリー・ドゥ・ライを生垣上に組み合わせたケイ山田のデザインをお楽しみください。 

ロザリー・ドゥ・ライは、園内中央の一角にも植えられています。バラと相性が特によいジギタリスが景色を引き立てています。ジギタリスを初めてみるという人もいますが、もしピーター・ラビットの絵本がお近くにあったら、もう一度中を見てみてください。小さいころに実は見ていた人も多くいることでしょう。

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こちらに写っているのは、ケイ山田や代表山田裕人が暮らすプライベートハウスの玄関です。バラのポストやたくさん配された寄植えが印象的ですが、いまもっとも人目を引くのは「コンスタンス・スプライ」です。木の壁にワイヤーをめぐらせ、麻ひもで誘引し、屋根の上まで花がついています。

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コンスタンス・スプライは、ハーブガーデンにも植えられています。カフェのテラスの石階段を降りていく途中に目に入ってきます。見過ごしやすいので注意してください。

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その手前では、人気のオールドローズ「ランブリング・レクター」が咲き始めています。シェイクスピアの戯曲にも出てくるバラで、ムスクの香りがすることから「シェイクスピアズ・ムスク」と呼ばれています。

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この反対側には、開花を控えている「ミセス・ヤマダ」(バラの神様、ピーター・ビールス氏がバラクラの庭で発見した突然変異のバラ)があり、その横には「ウィリアム・ロブ」が咲き始めています。

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レースガーデンの左手にある「グラベルガーデン」では、「ピンク・グルーテンドースト」が咲き始めました。

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フリル状の花が愛らしく、まるでカーネーションのよう。

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庭園の奥の「ボトムガーデン」の一角には、ケイ山田が愛する原種のバラが集められています。中でもそのデキャンタのような形をしたオレンジレッドの実(ローズヒップ)は大きな魅力です。花も繊細な一重でブラッドレッドと表現される独特の色味が人気です。数少ない日陰を好むバラとしても知られています。

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モエジーの改良品種「ロサ・モエジー・ジェラニウム」も周辺にいくつも植えれらています。

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今日のトークショーで、ケイ山田が「これまでで、モエジーたちがもっとも美しく咲いた年だと思う」と語っていました。次の写真でおわかりのように、高さは3メートル近くあり、同じく半日陰を好むウツギとの相性は驚くほどよいことがわかります。

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最後に、「バラクラカフェ」の窓から見える「ポールズ・ヒマラヤン・ムスク」を紹介します。

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この場所はカフェの排気口の周辺にあたり、温風があたるため、開花が早いようです。バラのトンネルや、ガゼボも同じ「ポールズ・ヒマラヤン・ムスク」ですが、開花はまだですのでご留意願います。

バラ以外の宿根草や一年草、花木も見ごろを迎えております。明日以降もバラや他の植物の開花状況をお伝えしてまいります。

バラクラは、国内に数多ある「バラだけを愛でる」バラ園ではございません。世界でトップのガーデンデザイナー ジョン・ブルックス氏に基本設計をお願いしたバラクラの庭園は、国内でもっとも歴史のある本格的な英国式庭園として海外でも認知されています。

ケイ山田や代表山田裕人は、現代バラが一斉に開花を迎える人工的な美しさではなく、多種多様な植物が自然に咲き継ぐ優しく美しい姿を皆様にお見せし、文化として定着させていきたいと願っております。

皆様のご来園を心よりお待ち申し上げます。

(広報 山本 達)