イギリスのロンドン近郊にある世界的に有名な庭園「キューガーデン」では、毎年1月から3月頃までラン展が開かれます。過去には毎年2月にイギリスに行っていたので、この催しを見るのがとても楽しみでした。

ランというと「祝花」と思われがちな日本ですが、キューのその催しでは、ランがこんなにも素晴らしいものであると心を奪われるほどで、装飾のあり方や植物の生かし方にセンスと愛情が感じられるものでした。

　今年はバラクラでもそれに倣って、冬にラン展を行うことに致しました。

　場所はランに相応しいコンサバトリーレストラン（カフェレストラン）の中です。コンサバトリーとは、元々冬に外に置けない植物を取り込むもう一つの部屋として作られています。バラクラの建物はイギリスから取り寄せ、デザイナーも大工もイギリスから招いて本格的に作ったものなのです。

ノーマンウィンドウと呼ばれる窓やテーブル・椅子なども全て建物に相応しい形式としてイギリスから輸入しました。

　イギリスの館でのコンサバトリーはもう一つの部屋として、例えばホテルなどではブレックファーストが供されたりする場所として観葉植物やマガジンなどが置かれています。 また、大きな屋敷にあるこの部屋は、くつろぎの場所としてご婦人が手芸や編み物などをしたり、友人とのアフタヌーンティを楽しむ場所として使われています。

　バラクラではその中でランを飾るにはどうするかと、思案して構想を決めました。一つの部屋として考えて、テーブルセッティングを致します。テーブルウェアは大倉陶園さんが素晴らしい食器類を提供して下さることになりました。

　そしてランや観葉植物を組み合わせてアレンジしてみようと思っています。 コンサバトリーのカフェレストランでランチやアフタヌーンティを召し上がって頂けます。

　イギリスを旅した気分でお越し頂けましたら嬉しいです。